この記事に書かれていること
・ハイボールの起源
・なぜハイボールが日本に広まったか
・ハイボールの人気が再燃した理由
はじめに
ウイスキーをソーダやトニックウォーターなどで割って飲むのが一般的なハイボールで、ドラマやCMの影響もあってウイスキーとともに活気づいています。
日本でのウイスキーの歴史などは広まりましたが、ハイボールについてはあまり詳しく知られていないように思われます。
今回はハイボールの歴史などについて説明します。
ハイボールの起源
ハイボールはリキュールやスピッツなどの蒸留酒をソーダなどの炭酸飲料や、フレッシュジュースなどのノンアルコール飲料と混ぜたものを指します。
日本ではウイスキーとソーダを割ったものが一番有名だと思われます。
ハイボールのはじまりや語源については諸説あります。
1つ目は、開拓時代のアメリカでは、蒸気機関車の長距離移動の際には途中で水の補給のための停車すると、棒の先にボールをつけたものを使って合図していました。
そのときに、バーボンのソーダ割りのサービスがあったことから、という説。
2つ目は、同じくアメリカ鉄道のボール信号機に関するもので、システムとしてはボールがあがっていれば進行 (go)、あがっていなければ停止 (don’t go) に設定されていました。
駅員が隣の駅のボール信号機を望遠鏡で見ながらバーボンを飲んでいるときに、ボールが上がったら(ボールがハイになったら)列車がくるというのでソーダ水を入れて一気に飲み干して駅に向かったというのが語源、という説。
3つ目は、イギリスのゴルフ場のカウンターでウイスキーを飲んでいた人が急に自分の打順が来たことを知らされて、慌てて近くにあったチェイサーにウイスキーを合わせて飲んでみたら、非常においしかった。そしてそこに、たまたまハイ・ボールが飛んできたから、という説です。
他にもいくつか説がありますが、ボール信号機が関係しているものが多く見られます。
なぜハイボールが日本に広まったか
なぜ日本ではハイボールが他のカクテル類などよりも知名度を得ているのでしょうか。
日本で最初にハイボールが流行したのは「安さ」「飲みやすさ」「オシャレさ」がサラリーマンにウケたのが大きな要因になりました。
ウイスキーは人気があったものの、まだまだ高級な飲み物で、ハイボールはそんなウイスキーをソーダで割ることで安く、大量に楽しめたことで人気に火が付きました。
また、ハイボールはショットバーなどでも提供されていたので、ハイボールを飲むのはオシャレだ、という意識も人気の秘訣になっていました。
サントリーなどのウイスキーメーカーが宣伝を続けたことと、サラリーマンを中心とした多くの消費者によってハイボールのブームが訪れました。
ハイボールの人気が再燃した理由
ハイボールのブームが訪れた後にチューハイブームなどのより革新的な酒類が開発されるにつれて、段々ハイボールは飲まれることが少なくなっていきました。
一時期は居酒屋でもおかれなくなり、缶のハイボールも見かけなくなるといった状態にまで人気が落ちていきました。
しかし、ウイスキーメーカーのプロモーション活動が功を奏し、ウイスキーやハイボールにありがちだった「渋いオトナのお酒」のイメージから、「若者のための飲みやすいお酒」のイメージにシフトしていきました。
そして、昔のハイボールブームと同じく「安さ」「飲みやすさ」「オシャレさ」が20~30代の若年層に受け、ハイボールの人気が復活しました。
日本でのウイスキーをソーダで割るといった飲み方は実は日本独特で、外国ではあまり人気ではなかったのですが、現在では評価されはじめています。
ハイボールとウイスキー市場の今後の展開に期待です。